2004年01月の日記

[SIDE 9]  EXILE ON MAIN ST. / THE ROLLING STONES (1972)

 しつこいがもう1枚ストーンズを紹介させてもらおう。キース・リチャーズのあらゆるギタースタイルを満喫できる最高のアルバムなんだ。オープンGのチューニング、カポをはめたプレイ、スライド、アコースティックギター、そしてベースまで(勿論忘れちゃいけないオープンチューニング時によくやる6弦を外した5弦ギター)、キースがそれまでのキャリアで培ってきたギターに対するアプローチが花開き1つの完成を見たのがこの「メインストリートのならず者」だ。アンプに直で繋いだ歪みのあんまり無い乾いた音で絶妙のカッティングとリフを聴かせてくれるし、その間の取り方がまたカッコイイ! ミックテイラーと絡み合うギターも最高だ。そして声、今のキースの声はしわ枯れてドスの利いた声になってしまったけど、ここではちょっとカン高くて若々しい可愛い声でミックと一緒に歌ってる。俺はこの頃のキースの声が大好きなんだ。
 レコーディングは南フランスのキースの別荘にモービルユニットを持ち込んで行われたそうで、そんな事もあってか全体的にリラックスしたムードがある。ゲスト・ミュージシャンとのジャムを楽しみながら曲を固めて行ったんだろうな、きっと......
 米国南部への憧れと、ルーツミュージックへの深い愛情がギッシリ詰まったこの2枚組アルバムは当初「地味で核心の無い散漫なアルバム」と言われて、受けなかったそうだ。シングルヒットした「ダイスを転がせ」は入ってるけど確かに俺も始めはとっつきにく印象があった。でも何度も繰り返して聴いてるうちに、どんどんハマって行って、その楽曲たちの魅力に気付かされ、同時にストーンズに惚れ直してしまったという感じだな。いや楽曲の魅力も勿論なんだけど、俺にとってのこのアルバムの凄さは、アルバム全体に流れる独特の雰囲気にある。曲の並びも含めたトータルな空気感。B面のアコースティックサイドや、ピアノが心に染みるミディアムテンポのR&B、そしてキース必殺リフのR&Rナンバー、etc...それぞれの曲が相互作用して、1つの世界を作り上げている。まさにストーンズにしか作り得ない独自の世界を。単なる曲の寄せ集めじゃなくてトータルコンセプトを持った極上のR&Rアルバムと言えるね。因みに本作発表後のツアーこそストーンズ史上最強のパフォーマンスで、数々の名演がブートレッグで聴ける....。
 ミックジャガーは当時、評判の良くなかったこのアルバムについてこう言った。「この作品は何年か経ってから正しい評価を受けることになるだろう」と。ストーンズは自身の活動の歴史によってそれを証明したのだ!
 俺はこれと良く似たアルバムをもう1枚知ってる。ルーツロックの愛情に溢れた、そう、あのアルバムだ....!!
(2004.01.30)

[SIDE 8]  BLACK AND BLUE / THE ROLLING STONES (1976)

 ストーンズと言えば忘れられない事がある。それは中3になったばかりのある土曜の夕方、NHKの「ヤングミュージクショー」で放映された「1976.パリライヴ」だ。「ヤングミュージックショー」というのは不定期に放送されていたNHKのプログラムで、当時、テレビでロックアーティストのライヴを観る事が出来る、本当に貴重な番組だった。ロックの映像に飢えている俺のようなやつは皆、全ての用事をキャンセルして、テレビの前に正座して、瞬きするのも惜しむ気持ちで喰い入るように観ていたんじゃないかな、しかもストーンズだぜ、ビデオなんか無いんだからさ。
 「ブラック・アンド・ブルー」を発表後、ロニー・ウッドを新メンバーに加えた'76年のストーンズは、この時期かなりドス黒いファンクチューンを軸にライヴを展開していて、ビリー・プレストンとイアン・スチュアートのキーボード、オリー・E・ブラウンのパーカッションを加えた8人編成だった。キースはジャンキー度◎で危険な匂いを撒き散らしながらも、このカッティングは鋭利なナイフのように空気を切り裂いていた。ミックはたぶんこの頃にしか出来ないワイルドなパフォーマンスで、歌っているというよりわめき散らしながら、何度もジャンプしている。一歩間違えばハチャメチャである。それは、それまでの自分が観た、もしくは想像していたライヴというモノのどれとも違った異様な光景だったのだ。何だか観てはいけないモノを観てしまっている、そんな気分だったけど、気がつけば興奮している自分がそこには居た。ラストの「ストリートファイティングマン」のエンディング、曲のテンポが上がりどこまでも昇って行くように続く中、ミックがバケツを持って観客席に水をぶち撒ける、幾度となく、これでもかと、最後の最後にバケツを自分の頭に持って行き、ザバーッ!となる瞬間ストップモーション〜「サティスファクション」のイントロが鳴り響く! その時、頭の中で何かがショートした様な凄いショックを俺は受け、そのまま自転車に飛び乗って「ブラック・アンド・ブルー」を買いに走っていた。
 長年ストーンズのファンをやっているけど、その魅力を言葉で説明する事が出来ない。このショックが全てだったんだなという気がするんだ、俺は。
(2004.01.21)

[SIDE 7]  DECEMBER'S CHILDREN / THE ROLLING STONES (1965)

A HAPPY NEW YEAR! 今年もAKITOのR&Rレコードをどうぞよろしく!
さて、新年1発目から、また中学生時代に逆戻りして話を進めたいと思う。
ビートルズを聴いているうちに、当然ストーンズの存在も知る事となった。テレビじゃロックは殆ど聴けなかったから、ラジオにかじりついては自分の知らない曲に胸をときめかせていたんだ。みのもんたがまだ文化放送のアナウンサーで「みのもんたのワイドNo.1」という番組を月〜金の夜9時頃から2時間ぐらいやってて(たぶん)、そこで初めて「サティスファクション」を聴いた。印象的なGリフが延々と続くこの曲のインパクトは強くてね、「変な曲」と思いながらも引き込まれて行くような強引な魅力を感じたのを覚えている。ちょうど「It's Only R&R」が出たばかりだったんだけど「サティスファクション」聴きたさに60年代のベストアルバムをまず買ってみた。「ヴェリーベストオブザローリングストーンズ」ってやつ。2枚組で中学生にはちょっと高かったけど、これは入門編としては最適なアルバムだったなぁ。
訳詞もついていて、そのダーティで悪魔的な詞も含めてすっかりハマってしまった。ロック=不良、そんな言葉がこれほどしっくり来るバンドは他に無いと思ったし、それこそ思春期の一少年が求めてるモノだったんだよ。
今でもストーンズに関しては60年代が特に好きなんだけど、「12月の子供たち」と題されたこのアルバムはアメリカ編集盤。渋い選曲ながら最高のR&Rアルバムだ。「サティスファクション」と並ぶ初期の代表曲「一人ぼっちの世界」、ライヴヴァージョンの「ルート66」や「アイムムーヴィングオン」、若さとエネルギーの爆発がここにはある。
しかし結成40年以上だもんなぁ。どっかのバンドが18年で「青春ド真ん中」なら、「中年ド真ん中」(笑)ってとこだろうか、まだまだ青いな俺も....。
(2004.01.14)

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