
クラッシュと並んで俺が大きな影響を受けたバンド、それがジャムだ。ビートルズでロックを知り、夢中になってやがてストーンズに出会えたと以前書いたと思うけど、今もって、じゃあビートルズとストーンズはどっちの方が好きなの?と問われても答えられない、どっちも大好きだから。それと全く同じ事がジャムとクラッシュには言えるのである。ある時期はクラッシュこそ我が命的にのめり込み、またある時期はジャムこそが全て、と聴き狂ったものだ。誤解を招くのを承知で改めて言わせて貰えば、バンドを始めてからずっと、この2つのバンドこそ俺の大きな目標であり、活動の指針であり続けたのだ。いろんなバンドを好きになったけど、俺は特にこの2バンドの発表するニューシングルやアルバムと共に成長し、作曲能力を磨いてきたと思っている。自惚れてる訳じゃないけど、今まさにその成果が理想的な形で実を結びつつあるなぁと、今回ストラマーロックをレコーディングしながらしみじみと思ったんだ。勿論まだまだ精進が足らないと思う事も沢山ある、だけど、あの頃描いた夢や理想には確実に近づいているんじゃないか、あくまで作品的には、だけど。
さて、この最高にロックンロールしてるデビューアルバムは1977年5月に発売された。クラッシュの1stから1ヶ月後の事だった。ジャムに関しては初期のフーからの影響について語られる事が多かったけど、当時フーの知名度なんて悲しい程低かったから、俺自身初期の音源は聴いた事が無かった。映画「ウッドストック」で知った位で、それはつまりハードロックの創始者としてのフーだったからね。初期のフーも最高なのか!とジャムによって教えられたんだ。
そんな訳で当時俺にはこのアルバムは初期のビートルズを彷彿とさせるものだったんだ。ハードロック以前に、ああ、こういうのを聴いてロックにのめり込んだんだった!てな感じでね。リッケンバッカーを掻き鳴らし、ハモりもバッチリ、曲はキャッチーで青臭い情熱に溢れている、おまけにビートルズと同じく「SLOWDOWN」も演ってるし。もしクラッシュがストーンズだとするなら、ジャムはビートルズなんだ、俺にとって。ほらね、どっちか一つは選べないって言ったろ…
超高速Dr.フィールグッドみたいな「ART SCHOOL」に始まり、フーの「MY GENERATION」に対するアンサーソング「IN THE CITY」(タイトルはフーの曲から取られた)、ダイナミックに弾け跳び、コーラスも完璧な「AWAY FROM THE NUMBERS」(最高!)、必殺フレーズ『アメリカには海がある、でも俺達ブリティッシュキッズには、素晴らしいサウンドが溢れ出すストリートがある』と、真に1977年当時のロンドンを言い当てた歌詞を持つ「SOUNDS FROM THE STREET」等、ブリティッシュビートから続く、みずみずしいロックンロールが鳴り響く。ノスタルジーでは無い永遠不滅の曲達。いつどんな時でも俺を奮い立たせてくれる、思わず身体が反応してしまうんだ。
コアなパンクスからの逆風を受けながらも、この後ジャムは成長し続け独自のサウンドを築いて行く。やがて全英No.1バンドへと昇り詰めるのだ、その過程をこれから書いて行きたいと思う。
TO BE CONTINUED…

前回の続きになっちゃうけど、1979年の夏、髪を切ってパンクロッカーに変身したと書いた。そのきっかけがこのニューヨーク ドールズだった。いや正確に言えば地元で見たドールズ風のバンドである。初めて観たそのバンドの名はSHOWDOWN、勿論ドールズの曲名からつけられた名前だろう。福生の伝説のライヴハウス、CHICKEN SHACKで観た彼らSHOWDOWNのライヴに俺はノックアウトされた。それは同時に俺のライヴハウス初体験でもあったんだ、それまでの俺は武道館や中野サンプラザといった大きなホールでしかロックを体験した事がなかった訳で、その夜、狭いライヴハウスは満員の観客でひしめき合い、(当然イスも無い立見状態→これも初めて)SHOWDOWNは物凄いスピードで曲を次から次に叩き付けていった。彼らはまさにパンクだった!俺はパンクの洗礼をナマで受けてしまったのだ。ビートルズの「BIRTHDAY」を凄いスピードでプレイしてたのを覚えてるなぁ。今思うとドールズと言うよりピストルズに近かったかも知れないな、4人編成だったし。
遊び半分で友人とバンドをやっていたけれども、その時強烈に思ったね、あー、ステージに上がって俺もロックしたい!ってね…
SHOW DOWNの強烈なR&Rとライヴハウスの熱気に興奮醒めやらぬまま、帰宅した俺は風呂場に飛び込み、手にしたハサミで肩まであった髪をムチャクチャに切ったんだ!さっき観たバンドのメンバーを頭に浮かべてツンツン立つようにね、結果は当然ヒドイものだったけど俺は満足だった、新しい未来が目の前に拓け、新しい自分が始まるんだという希望で胸が高鳴ったのを今も覚えているよ。今日まで続く旅の出発点はあの夜だったんだ。
だけどだけど、実を言うと俺はその時ドールズを聴いた事が無かった…キッスやエアロスミスに夢中だった頃、その一時代前を築いたバンドとして名前は勿論知ってたけど、そんな落ち目の人達より同時代を生きるキッスやエアロやクイーンの方が重要だったからね、ちゃんと聴いたのは後年ジョニー サンダースの『L.A.M.F』にシビレてからだったと思う。この1stアルバムには「SHOW DOWN」は収録されてないんだけど(2ndに収録)何故もっと早く聴かなかったのか!と思わず後悔してしまった程、最高のR&Rがギッシリ詰まっている。名曲「PERSONALITY CRISIS」〜「LOOKING FOR A KISS」と続くA面も良いけど、俺はB面が好き。ストーンズの「HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER BABY,STANDING IN THE SHADOW?」を彷彿させる「TRASH」からボ. ディドリーのご機嫌なカバー「PILLS」、フーの「MY GENERATION」を継承する「JET BOY」まで荒々しく一気に駆け抜けて行く。ストーンズを始めとするブリティッシュ ビート、自国のR&BやルーツR&R、アメリカン ポップスまで、深い愛情を感じるサウンドだ。早口でまくし立てるデヴィッド ヨハンセンのVOに絡み付くジョニー サンダースのギターは最高で、やはり彼の才能の大きさを今に伝えて余りある程個性的だ、誰もあんな風には弾けないよ。
キッスやエアロもドールズに憧れてスタートした、ドールズが無ければピストルズだって生まれる事は無かっただろう。そう思う。
時代に風化されない、永遠のR&Rアルバム。
さてSHOWDOWNのその後だけど、実はよく判らない、その後一回位観に行ったかな。コンテストに出て入賞したなんて話を聞いたけど、メジャーデビューには至らなかったようだ、今とは時代も違うしね。俺にきっかけを与えてくれた彼らを忘れる事はないだろう。