
元フリーのポール・ロジャース、サイモン・カークと元モット・ザ・フープルのミック・ラルフス、元キング・クリムゾンのボズ・バレルが集まり結成されたバッド・カンパニー、当時スーパー・グループとして鳴り物入りでデビューし、大ヒットした1stアルバム。ちょうどクィーンと共にブリティッシュ・ロックの次世代を担うホープとして紹介されたのを覚えている。同じ頃ポール・ロジャースはイアン・ギランの後任としてディープ・パープルからもオファーを受けていたそうだがこのバンドに賭けたという事である。両バンドのその後を知ってしまった今となってはこの話は中々面白い。パープルは同じブルージーなヴォーカリスト、デヴィッド・カヴァデイルを加入させ『BURN』という名作を誕生させたが、このラインナップは長続きせずリッチー・ブラックモアの脱退を招いてしまう、バドカンもその後頑張っていたがこのアルバムを越える傑作を作り出す事は出来無かった。つまり両バンド共最初の作品で既に完成されてしまっていたという事だ。スーパー・グループと呼ばれたバンドが短命なのはメンバーそれぞれが実力者で経験も豊富だから、一発でスタイルを確立させてしまい、傑作を産み出すが2枚目以降はそのスタイルの拡大再生産になってしまうからだ。バンドの成長や実験、挑戦といったスリルを味わわせてくれる事も無く、何となくショボくなって解散、そんなパターンが多い。同期にデビューした未完成ながら限りない可能性を秘めたクィーンの大成功への道とはスタート地点で既に異なっていたという事になる。何だか悪口になってしまったみたいだけど…
しかぁーし!音楽とは不滅な物だから、このアルバムの素晴らしさは時を越えて輝き続けている、バンドのその後がどうあれ作品の質に一点の曇りを生じさせる事など何も無いんだよ。
「ワン、ツー、1、2、3」と小さくカウントされ始まる「CAN'T GET ENOUGH」のカッコ良さ!最初シングル盤を買って擦り切れる程聴いてたけど、LPを買ったらフェイド・アウトじゃなかった!嬉しい驚きだったな、忘れないよ。音数が少ない隙間のあるサウンドだが抜群のグルーヴ感、ドッタンバッタンと重く小気味よいシンプルなドラムにソウルフルなヴォーカルが絡む気持ち良さ、ミック・ラルフス作のこの曲、モット・ザ・フープル時代に却下されたというこの自信作は、最も相応しい舞台で甦ったのではないだろうか。同じくモットの曲の再演「READY FOR LOVE」もポール・ロジャースの素晴らしい歌声で新しい生命を吹き込まれているようだ。全く最高のヴォーカリストだと俺は思う、リッチーが欲しがったのも良く解るよ。2曲目の「ROCK STEADY」、B-1の「BAD COMPANY」も必聴曲!このノリと男臭い歌いっぷり、オンナニハワカルマイ…。そんな事をつい考えてしまう男のロック、俺にとってそれがモット・ザ・フープルであり、このバッド・カンパニーだ。