2006年08月のロックンロール・レコード

[SIDE 36]  ANARCHY IN THE U.K. / SEX PISTOLS <SINGLE>(1976)

2006年の今年はパンク生誕30周年とやらであちこちにオリジナル・パンクロック関連のCDやらDVD、雑誌等が大量に出回っている。その主役はやはり何と言ってもセックス・ピストルズで、様々なブツの量は圧倒的に多い。30年前の燃えるロンドン、夏の100 CLUBでの伝説的なギグ、秋のアナーキー・ツアー、T.V番組、ビル・グランディ・ショウでの4文字言葉連発と、イギリスの音楽シーンは彼等の話題で持ち切りだった。確かにピストルズがその短い歴史に於いて最も精力的に活動していたのが1976年だった。そんなさなか、11月に発表されたこのデビュー・シングルからもその熱気は充分感じ取る事が出来る。アルバム『NEVER MIND THE BOLLOCKS』同様、名プロデューサー=クリス・トーマス&名エンジニア=ビル・プライスによって送りだされたこの曲、スティーヴ・ジョーンズのパワフルなギター・リフからポール・クックの雷のようなドラム・ロールが轟き、ジョニー・ロットンの不敵な笑い声が響き渡るイントロを聴いただけでこの曲の全てが判るというものだ、これは最高のロックンロールである。そう、ピストルズが今でも支持され、聴かれ続けている理由、その答えは簡単だ。至ってシンプルな答え、いつの時代にも最高最強なロックンロールは生き続けるという事に他ならない。
またピストルズはポップだった、これが重要な魅力。切実なメッセージを持った歌であるにも係わらずジョニーの人を喰ったようなニヒルなヴォーカルは痛快でキャッチー、まさしく天才的なシンガーではないだろうか。彼等のコスチュームと共に弾けるようなポップさをも持っている優れたバンド、それがセックス・ピストルズであった。
そして演奏も良かった!スティーヴのタイトなミュート刻みは間違いなくパンク・ギターの一つのスタイルを確立させたと思うし、キックをシンコペイトさせるポールのドカドカしたドラムも個人的に大好きだ、ベースはシドではなくオリジナル・メンバーのグレン・マトロック、音楽的なリーダー・シップを握っていた彼の存在はこの頃のピストルズにとって重要だった筈だ、代表曲の殆どはこの時期にグレンを中心として作
られている。ベースは弾けないけど、偉大なるパンク・アイコン=シド・ヴィシャスは確かに永遠のヒーローかも知れないが、俺はビートルズが好きな為に(?!)クビになったグレンに肩入れするぜ、俺もミュージシャンだからさ。デモ音源のB面曲「I WANNA BE ME」(デイヴ・グッドマン・プロデュース)ではグレンのブンブン・ベースが目立って聴こえてくる。1976年のオリジナル・ピストルズの演奏が聴きたい時は、昔から有名な、そのデイヴ・グッドマン・プロデュースの裏『NEVER MIND〜』とも言うべき『SPUNK』(デモ音源・BOOTLEG)というのがあって、それを聴く。今年『NEVER MIND〜』の2枚組CDにカップリングされたので興味のある人は一聴をお勧めする。テンポもややゆったりとしているが、ボトムがドッシリとしたノリだ。R&Rバンドとしてのセックス・ピストルズ、その本質的な姿を感じる事が出来る。
(2006.08.13)

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