2008年10月のロックンロール・レコード

[SIDE 57]  STRANGERS IN THE NIGHT / UFO(1978)

前回から展開が見え見えだけど…マイケル・シェンカーの名を一躍有名にしたバンドUFO。マイケルが加わる前の頃はよく知らないが「C'MON EVERYBODY」のヒットを放ち1970年に来日、日比谷野外音楽堂でコンサートを行ったとの事だ。本などを読むとわりとしょうもないライヴだったらしくイギリスのB級バンドという評価で、その後姿を消してしまったようだ。まるで未確認飛行物体の名前そのままに。
マイケルが参加し、復活したアルバム『PHENOMENON』は「そんなバンドも居たなぁ…」と大して期待もしていなかった当時のブリティッシュ・ハード・ロック・ファンを驚かせるのに充分な内容で、代表曲「DOCTOR DOCTOR」、「ROCK BOTTOM」をフューチャーした名盤と今では呼ばれているが、その頃は日本での知名度はまだまだ低かったように思う。俺が最初に聴いたのは復活第三弾の『NO HEAVY PETTING』で「CAN YOU ROLL HER」の物凄い早弾きに驚いたものだ。UFOにはめちゃめちゃ上手いギタリストがいるぞとインプットされたのだった。その次の『LIGHTS OUT』は傑作アルバム。ヒット・メイカー、ロン・ネヴィソンのプロデュースで更に拡がりを見せる楽曲の幅とクオリティでアメリカでも人気爆発。1曲目の「TOO HOT TO HANDLE」とタイトル曲は最高だな!その次の『OBSESSION』には名曲「ONLY YOU CAN ROCK ME」があって、その後の全米ツアーからシカゴとルイズヴィル公演を収録したのがこのライヴ・アルバム。音も良く、UFOの代表曲がズラッと並びベスト盤的な聴き方も出来る優れた一枚である俺が好きなのはオープニングの「NATURAL THING」と「OUT IN THE STREET」のメドレー、「ああ、イギリスのバンドだな」と感じるね。
UFOはルックスも含めてバンドとしてもなかなか魅力的だ。フィル・モグのヴォーカルは味わいがあり、何よりハイトーンのメタル・ヴォイスじゃないから聴いていて疲れない。そしてベースのピート・ウェイがまたカッコ良い。あのサンダーバード・ベースがたまらんね俺としては。この時代のキーボード奏者ポール・レイモンドは曲によってギターも弾き、サイド・ギタリストも兼ねる便利なプレイヤーだ。でもフライングVを腿に挟んだポーズで弾きまくるマイケルがやはり断トツだったが。ビジュアル的にもアピール出来る点がアメリカでの成功に一役買っている筈。勿論良い曲もたくさんある。
俺としてはマイケルのギターの音色に魅力を感じている訳で、正確なピッキングから繰り出されるメロディを軸にした流麗な速弾きソロも勿論凄いのだが、リフやバッキングの音も含めて良いなぁと思う。自分の使用楽器がレス・ポールという事もあってかギブソン系のハム・バッカー・サウンドとしては理想的な音、手本となる音、そう捉えている。例えばジミー・ペイジのようにトグル・スイッチをセンター・ポジションにし、わざとクセのある独特な音で勝負するのではなく、マイケルの場合は誰が聴いても納得する普遍的なカッコ良いギターの音を追求している。かと言って個性が無い訳じゃなく、ワウを半分噛ませた例のちょっとくぐもったソロの音色はマイケルならではのものだ。そしてギター・プレイ全体から匂ってくるブリティッシュ・ロック特有の陰りと言おうか、哀愁。そういう所がまた好きだな。
全米で成功を収めた頃からマイケルは精神を病み、酒とドラッグに溺れてしまう。失踪事件を繰り返すうちやがてUFOを脱退してしまった。この時期のUFOを是非観てみたかった。一時的に復帰したスコーピオンズでも良かったんだけど、それも叶わなかったし。
時は流れてMSGとして再度シーンに戻って来たマイケルには俺はそれほど興味を抱かなかった。何故ってその頃の俺はパンク/ニュー・ウェイヴに夢中だったからね。
(2008.10.26)

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